五人が同じ舞台に集まる

2000年、矢野顕子、奥田民生、大貫妙子、鈴木慶一、宮沢和史の五人は「Beautiful Songs」ツアーを行いました。その演奏は同年10月、ライブアルバム『LIVE Beautiful Songs』として発表されています。

この場では誰か一人が主役なのではなく、それぞれが自分の歌を持ち寄り、別の人の歌にも加わりました。

矢野顕子の歌を奥田民生が歌う

収録曲には、奥田が歌う「ラーメン食べたい」や、奥田と矢野による「イオン」があります。「すばらしい日々」は矢野が歌い、終盤では五人全員が声を重ねました。

作品全体も五人の共同プロデュースです。矢野はボーカル、鍵盤、ピアノ、コーラス、奥田はボーカル、ギター、コーラスを担当しています。同じアルバムにいるだけでなく、互いの曲と演奏へ踏み込む構成でした。

二つの回遊路を結ぶ20本目

矢野顕子からは坂本龍一と宮沢和史へ進めます。奥田民生からは小泉今日子、浜田雅功、ダウンタウンを経て坂本龍一へ進めます。『LIVE Beautiful Songs』は、その二つの経路を別の場所でも結び直します。

20本目で見えるのは、一本道ではなく複数の輪です。作品を介して人を辿ると、同じ人物へ違う方向から戻ってこられる。その回遊こそが「おとたどり」で作ろうとしてきた読み方です。