つながりの中心にある一曲

永積タカシ、高野寛、忌野清志郎。この三人のあいだには、「サヨナラCOLOR」という一本の道が通っています。

出発点は、永積がボーカルを務めたSUPER BUTTER DOGの楽曲です。永積が作詞・作曲した歌を、高野がプロデュースしました。そして数年後、同じ歌を永積と忌野が二人で歌う録音が生まれます。

三人を単純な線で結ぶのではなく、一曲がどのように人から人へ渡ったのかを辿ってみます。

高野寛が作品になる瞬間を支えた

高野寛は、自身の制作記録で、SUPER BUTTER DOGのアルバム制作にプロデューサーとして加わった経緯を振り返っています。バンドが自分たちだけで作品を作ってきた時期を経て、高野のポップス感覚と、彼らのブラックミュージックを基盤にした演奏が交わることになりました。

永積は後年、高野がいなければ「サヨナラCOLOR」を作品にしていたかわからない、という趣旨の言葉を寄せています。ここにあるのは、曲を書いた人と、完成へ向かう背中を押した人の関係です。

高野と永積の接点はこの一度だけではありません。永積は高野のアルバム『確かな光』でも、「1.2.3.4.5.6.7 days」と「hibiki」のコーラスに参加しています。

歌から映画へ、忌野清志郎とのデュエットへ

「サヨナラCOLOR」は竹中直人に着想を与え、同名の映画へ発展しました。そのエンディングに使われたのが、ハナレグミと忌野清志郎によるデュエット版です。

ハナレグミの公式記録では、この版は映画のエンディングで使われたものと説明されています。忌野清志郎の公式サイトにも、永積と清志郎がデュエットしたタイトル曲がサウンドトラックへ収録された記録が残っています。

永積が書き、高野との制作で形になった歌を、今度は忌野が永積と声を重ねて歌う。一曲の履歴を辿ることで、世代や活動領域を越えたつながりが見えてきます。

人ではなく、音楽から人へ

この三人の関係を表す中心語は、交友関係ではなく「サヨナラCOLOR」です。

高野寛は原曲のプロデューサーとして、忌野清志郎はデュエット版の歌い手として、永積タカシの作品に異なる時点から参加しました。誰と誰が知り合いかだけを見るよりも、作品と役割を間に置くことで、それぞれが残したものを具体的に確かめられます。

一曲を入口に人を辿り、別の作品へ進む。そこからまた次の音楽家が見えてくる――「サヨナラCOLOR」は、そんな聴き方にふさわしい一曲です。