歌の先にできた映画
永積タカシがSUPER BUTTER DOGで発表した「サヨナラCOLOR」は、高野寛との制作や忌野清志郎とのデュエットを通じて人から人へ渡ってきました。その歌と同じ題名を持つ映画を監督したのが竹中直人です。
映画『サヨナラCOLOR』は2005年8月13日に公開されました。配給会社の公式ページには、出演者として竹中直人と原田知世が並び、音楽にはハナレグミ、クラムボン、ナタリー・ワイズの名が記されています。
歌から始まった道は、映画という別の作品へ続いていました。
初恋の人・未知子を演じた原田知世
竹中が演じる佐々木正平は、海辺の病院で働く医師です。そこへ入院してきたのが、高校時代の同級生で初恋の人だった笈川未知子でした。その未知子を原田知世が演じています。
日本映画データベースの作品情報では、竹中を佐々木正平役、原田を笈川未知子役として記録しています。原田は題名の由来になった歌を歌うのではなく、映画の物語を受け持つ俳優として作品に加わりました。
音楽家同士の共演だけを見ていると現れにくい接点が、「出演」という役割から見えてきます。
ハナレグミが映画の音を担う
映画の音楽は、ハナレグミ、クラムボン、ナタリー・ワイズが担当しました。ハナレグミの公式プロフィールにも、2005年に映画が公開され、エンディングテーマで忌野清志郎とデュエットし、サウンドトラックも担当したことが残されています。
永積は、映画の入口になった歌を書いた人であると同時に、ハナレグミとして映画の音を作る側にも回りました。原田知世は、その音が流れる物語の中心を演じています。
同じ映画に参加していても、二人の役割は異なります。一人は音楽、一人は出演。その違いを作品のクレジットとして置くことで、曖昧な「共演」ではなく、何を通じてつながったのかを確かめられます。
二つの枝をつなぐ『サヨナラCOLOR』
永積タカシからは、高野寛、忌野清志郎、原田郁子へ作品を辿れます。原田知世からは、高野寛や伊藤ゴローとの音楽制作へ進めます。これまで別々に伸びていた二つの枝は、映画『サヨナラCOLOR』でつながります。
一曲が映画の着想となり、書いた本人が映画音楽を担い、その物語を原田知世が演じる。音楽から映画へ領域を越えても、作品と役割を間に置けば、人から人へ辿る道は途切れません。