「LIFE」を弾いているのは、誰だろう
2024年6月5日、再結成を発表したキマグレンが『THE FIRST TAKE』に登場しました。歌うのは、2008年に発表した代表曲「LIFE」。番組の公式紹介によれば、再結成後のメディア初パフォーマンスです。
この演奏のクレジットを辿ると、二人の歌を支える顔ぶれに気がつきます。ベースは、Aqua Timezで活動してきたOKP-STAR。キーボードは、WEAVERのピアノ・ボーカルだった杉本雄治です。
別々のバンドで聴いていた人たちが、キマグレンの「LIFE」を一緒に演奏している。その間をつないでいるのが、クレイ勇輝ことKUREIの音楽活動と、バンド「OCEANS」でした。
OKP-STARとは、再結成より前から
2015年にキマグレンが解散した後も、KUREIは仲間たちと音楽を続けていました。OCEANSの公式プロフィールには、2018年の平昌オリンピックのパブリックビューイングイベントで、OKP-STARらと共演したことをきっかけに「クレイユーキーズ」を結成した、と記されています。
のちにOCEANSへと名前を変えたこのバンドは、公演や作品ごとに編成が変わるスタイル。名前には、KUREIが音楽活動を始めた海と、映画『オーシャンズ11』からの着想が重なっています。必要な場面でそれぞれの得意なことを持ち寄る、という考え方です。
OKP-STARとの接点は、キマグレンの再結成に合わせて初めて生まれたものではありません。二人が離れていた間にも続いていた演奏の場が、2024年の「LIFE」へつながっています。
WEAVERの鍵盤、そして別の現場を知る二人
もう一人、以前のバンドから辿れるのが、Yuji Sugimotoとクレジットされた杉本雄治です。本人の公式サイトにも、この『THE FIRST TAKE』にキーボードで参加したことが記録されています。
杉本はWEAVERでピアノとボーカルを担当していました。WEAVERは2023年2月26日に解散。その後も杉本は楽曲提供やサポート演奏を続けています。公式プロフィールを読むと、歌う人であり、鍵盤を弾き、ほかの人の音楽を形にする人でもあることが分かります。
この日のギターには、Kafu Satohこと佐藤嘉風。AI美空ひばり「あれから」の作曲を手がけた音楽家です。ドラムには、Takumi Ogasawaraこと小笠原拓海。2008年から山下達郎のバンドに参加してきました。二人の経歴と担当も、OCEANSの公式メンバー紹介で確認できます。
Aqua Timez、WEAVER、楽曲提供の現場、山下達郎のステージ。異なる場所で音楽を作ってきた4人が、ここでは同じ「LIFE」に参加しています。
ISEKIが加わった、すでに育っていた音
では、ISEKIにとって、この顔ぶれと演奏することはどんな経験だったのでしょうか。
2025年のSkream!のインタビューで、ISEKIはOCEANSとの演奏は『THE FIRST TAKE』が初めてだったと振り返っています。KUREIと長く一緒に演奏してきたメンバーには、すでにグルーヴができていて、自分はそこへ加わる形だった。そのため演奏しやすかった、と語りました。
同じインタビューでKUREIは、バンドのメンバーと会話をしたり、食事をしたりする時間も大切にしていると話しています。楽器を合わせる練習だけでなく、普段の時間も一緒に過ごしてきた関係です。
長く歌ってきた相手であるISEKIと、解散後の音楽をともにしてきた仲間たち。KUREIの二つのつながりが、この演奏で重なりました。
同じ曲に、それぞれの時間が加わる
キマグレンの二人は、解散から9年を経て再び一緒に歌いました。その周りには、二人が別々に活動していた間に育った関係もあります。「LIFE」という知っている曲を入口にすると、再結成までの時間にも、音楽が続いていたことが見えてきます。
この演奏は、2024年7月17日に「LIFE - From THE FIRST TAKE」として音源化されました。配信時の報道にも、OCEANSから参加した4人の名前が並びます。
ここに示した年齢は配信発売日のものです。映像が公開された6月5日とは異なり、収録日の年齢を示すものでもありません。
なお、Aqua Timezが再結成を発表したのは、この映像公開の翌月、2024年7月11日でした。出演時の紹介にある「元Aqua Timez」という表記にも、その時点の活動状況が映っています。
公式映像へ戻るときは、キマグレンの二人に加えて、演奏する4人にも目を向けてみてください。知っている曲の周りから、別の音楽を聴いていた記憶がつながるかもしれません。
キマグレンとAqua Timezが名を連ねる別の演奏は、小田和正の『クリスマスの約束2009』「22'50"」の記事からも辿れます。