一曲の共作から始まった二つの声

CharaとYUKIが最初に一緒に発表した「愛の火 3つ オレンジ」は、1999年11月26日発売。当時のレーベルは、二人が意気投合し、細かくやり取りを重ねた共作を、一度限りの特別な企画として紹介していました。

その一曲で終わらず、二人の制作は、ソロ作品を通じて再び動き出します。歌を渡す相手だった人と、今度は同じ曲の中で歌う。Chara+YUKIの歩みを辿ると、声だけでなく、音と言葉を作るやり取りが見えてきます。

「24hours」から、もう一度一緒に

2019年2月6日発売のYUKIのアルバム『forme』には、Charaが作曲した「24hours」が収録されています。作詞はYUKI。編曲には皆川真人に加え、CharaとYUKIも名を連ねました。

公式特設では、一緒にギターを弾きながら曲を詰めた制作が紹介されています。2020年の対談でも、二人は「24hours」を作った際のデモから、ユニットで歌う曲へ話が広がったと振り返りました。ソロへの楽曲提供が、共同制作を再開する入口になったのです。

音作りはChara、言葉はYUKI

2020年1月31日にシングル「楽しい蹴伸び」、2月14日に全8曲のミニアルバム『echo』が発売されました。

『echo』の総合的な音作りを担ったのはChara、歌詞制作をまとめたのはYUKIです。一方、曲別のサウンド制作にはA.G.O、Seiho、大沢伸一、TENDRE、白根賢一、Kan Sano、mabanuaも参加。二人が制作をまとめながら、曲ごとに異なる作り手を迎えています。

「楽しい蹴伸び」はYUKI作詞、TENDRE作曲・サウンドプロデュース。対談では、TENDREと歌い分けを考え、二人が一緒に歌う部分も作ったことが語られています。交互に歌うだけでなく、声が重なる場面まで相談しながら作る。二人の組み合わせは、そうした録音の選択にも表れています。

昔の曲を、今の二人で歌い直す

『echo』の冒頭には「愛の火 3つ オレンジ(2020version)」が置かれました。1999年の録音をそのまま収録するのではなく、A.G.Oがサウンドプロデュースした再制作版です。

YUKIは歌い直しを希望し、二人は新しい歌のやり取りも加えました。同じ曲へ戻ることが、今の声を試す機会にもなっています。

最初のシングルと2020年版を続けて聴くと、一曲の共作が長い時間を経て再び動き出したことを、二つの録音として辿れます。

「背中にリボン」へ続く共同制作

2026年2月11日には、新曲「背中にリボン」が発売されました。作詞はChara+YUKI、作曲はBeth Morrison、James Stordy、John Kerfoot。サウンドプロデュースとミックスをTaka Perryが担当しています。

2026年の対談では、届いたデモをもとに、言葉や音の響きを二人で検討した制作が語られています。自分の案を相手へ渡し、その反応を受けてまた考える。その往復は、二人が同じ歌を作り続ける方法でもあります。

最初の共作から『echo』、そして新しい作り手を迎えた「背中にリボン」へ。Chara+YUKIを聴く楽しさは、それぞれの声を知っている二人が、次はどう重ねるのかを聴けることにあります。

ソロ作品から、別のつながりも辿る

二人のソロ作品には、ほかの音楽家との接点もあります。

Charaの「面影」は、2022年11月1日発売のシングル「A・O・U」の収録曲。大橋トリオが演奏・編曲・サウンドプロデュースを担当しました。歌い手と音を作る人の関係は、大橋トリオとKitriの記事でも辿れます。

YUKIの『forme』には、Charaの「24hours」と同じ一枚に、細野晴臣が作曲・編曲した「Sunday Girl」も収録されています。YUKIが書いた言葉へ、異なる作り手が音を届けたアルバムでした。細野の別の共同制作は、松本隆との記事へ続きます。

「面影」の担当と発売時年齢、「Sunday Girl」の担当と発売時年齢も、作品ページで確認できます。