同じバンドにいる二人

堀内一史と奥田民生は、1986年に広島で結成されたユニコーンのメンバーです。奥田が歌う曲だけでなく、各メンバーの個性が前へ出ることが、ユニコーンの作品を一色にしない力になりました。

堀内はベーシストとして低音を支えるだけでなく、EBIの名でボーカルも担います。その声を代表する一曲が「ペケペケ」です。

奥田民生が書き、EBIが歌う

「ペケペケ」は1988年のアルバム『PANIC ATTACK』に収録されました。作詞は川西幸一、作曲は奥田民生、歌うのは堀内一史です。

作曲者が自分で歌うのではなく、同じバンドの別のメンバーへ曲を渡す。奥田が作った旋律は、堀内の軽やかな声を通ることで、奥田自身の歌とは異なる表情を持ちました。

クレジットに見えるバンドの形

バンド名だけを見れば、二人の関係は「同じユニコーンのメンバー」で終わります。しかし一曲のクレジットまで降りると、作曲する人、歌う人、詞を書く人という具体的な関係が現れます。

堀内は高橋幸宏の編曲でソロ曲を歌った人物でもあります。その堀内をユニコーン側へ辿り直すと、今度は奥田民生の曲を受け取って歌う姿が見えてきます。

次の歌い手へ

「ペケペケ」で仲間へ旋律を渡した奥田民生は、バンドの外でも曲を提供しました。小泉今日子には「月ひとしずく」と「オトコのコ オンナのコ」を残しています。

高橋幸宏から堀内一史へ、堀内から奥田民生へ。そして奥田から小泉今日子へ。所属という一本の線を、実際に渡された曲が次の人物へ伸ばしていきます。