『厚木I.C.』から五年半

2003年4月23日発売の『厚木I.C.』で、小泉今日子は宮沢和史、高野寛、永積タカシらと作品を作りました。それから約五年半。2008年11月26日に発表したオリジナルアルバムが『Nice Middle』です。『厚木I.C.』公式情報・『Nice Middle』公式情報

テーマは「ミドル・エイジ」。TOKYO No.1 SOUL SET、ASA-CHANG、鈴木正人、藤原ヒロシらが参加したこのアルバムに、大橋好規も名前を連ねています。当時の発売告知

大橋が作曲・編曲を担当したのは、「恋する男」と「あなたと逃避行」。どちらも、歌う小泉自身が詞を書いています。

作り手の名前は、大橋好規

大橋トリオは、複数人のグループではなく、大橋好規のソロプロジェクトです。2007年に大橋トリオとしてデビューし、2009年5月にはメジャーデビューを迎えます。『Nice Middle』は、その間に発売された作品でした。公式プロフィール

二曲の作曲・編曲者として、資料に記されている名義は「大橋好規」。自身の作品で歌う活動と、ほかの歌い手のために曲や編曲を作る活動が、この時期に並んでいます。

同じ二人の名前が、二曲に並ぶ

8曲目の「恋する男」は、小泉今日子の作詞、大橋好規の作曲・編曲。この役割分担は、録音に参加した有田純弘の活動記録でも確認できます。有田純弘による2008年の記録

10曲目の「あなたと逃避行」も、作詞は小泉、作曲・編曲は大橋です。曲別クレジットを掲載した紹介

小泉は、歌い手であり、言葉を書く人。大橋は、旋律を作り、編曲も担う人。同じアルバムに収まった二曲で、二人がそれぞれの役割を重ねています。まず一曲を聴き、もう一曲へ進むときにも、曲名の隣にある二人の名前を手がかりにできます。

歌うことと、書くこと

『厚木I.C.』から続けて聴けば、宮沢和史らが書いた歌を歌う小泉と、自分の言葉を歌う小泉の両方に出会えます。提供を受けることと、自ら書くこと。そのどちらも、小泉の音楽を作ってきた役割です。

『厚木I.C.』での宮沢との接点は、小泉今日子と宮沢和史の記事から辿れます。共に作る相手が変わることで、同じ歌い手の別の一面が見えてきます。

大橋の音楽から、Kitriへ

翌2009年5月13日、大橋トリオは『A BIRD』でメジャーデビューします。公式作品情報

その後、大橋がプロデュースを手がけるのが、京都出身の姉妹によるピアノ連弾ユニットKitriです。2019年1月23日、大橋のプロデュースによる1st EP『Primo』でメジャーデビューしました。日本コロムビアのデビュー告知

歌詞と作曲・編曲を分担した『Nice Middle』の二曲から、作品をプロデュースする仕事へ。大橋がほかの音楽家と作る道の続きを、大橋トリオとKitriの記事で辿れます。